日本で大々的にヒットした電子たばこ「アイコス」ですが、急激に人気が出たのは2016年のことでした。
まさに「電子たばこ元年」と言えるでしょう。
「煙が出ない」「ニコチンやタールが入っていない(または少ない)」という口コミから一気に普及が始まり、今では喫煙所で「紙巻きたばこを吸っている人の方が少数派」なんてこともしばしば。
今や日本だけでなく世界中でヒットしている電子たばこ(ベイプ)ですが、現在販売している電子たばこはどういった種類があるのでしょう?
また、デバイスによる性能の差や使い方なども注意しておく必要があります。
今回はそんな「電子たばこ(ベイプ)」をあらゆる角度から徹底比較し、またおすすめの人気デバイスを紹介していきます。
これから電子たばこに切り替えようと思っている方は、是非参考にしてみてください。
電子たばこ(ベイプ)とは?
電子たばこには基本2系統に分かれます。
- 本格的なたばこを味わいたい
- 煙やフレーバーを楽しみたい
特に最近売れているのが1の「本格的なたばこを味わいたい、でも健康には気を遣いたい」という層に向けた「加熱式電子たばこ」です。
通常の紙巻たばこは燃焼温度が800度程度あり、この燃焼温度によって有害物質が発生しますが、加熱式電子たばこは低温(といっても200度前後)で加熱するため有害物質の発生を抑制することができ、また煙の発生もなくなるため(水蒸気になる)、従来の紙巻たばこによる健康被害も遥かに少なくなっているという研究結果も公表(原文はこちら)されています。
もう一方の「煙やフレーバーを楽しみたい」という層に向けて開発されているのが、「リキッド式電子たばこ」です。
専用のリキッドを使用し加熱することで様々な味を楽しむことができ、フルーツ味やコーヒー味、中にはビタミンを採ることのできるリキッドまで発売されています。
これらリキッドにはニコチンやタールといった健康を害する成分は入っておらず、漂う煙の香りなどを純粋に楽しむためのものです。
もちろんニコチン入りリキッドというものも存在はしますが、日本国内での譲渡や販売は違法です。
ベイプ(VAPE)とは主にリキッド式電子たばこのことを指しますが、日本では電子たばこが普及し始めたばかりなので、加熱式電子たばこも一括りにされることが多いようです。
電子たばこの種類
それでは電子たばこの種類について解説をしていきます。
すでに「電子たばこ戦国時代」に突入しており発売から数週間で姿を消すデバイスなどもありますので、ここでは現時点で「よく売れている電子たばこ」に絞って紹介します。
基本的には以下の5種類を抑えておけば問題ないでしょう。
アイコス(IQOS)
日本で電子たばこブームを作ったきっかけとなるデバイスで、加熱式電子たばこに分類されます。
フィリップ モリス ジャパンから発売されており、紙巻たばこの「マールボロ」「ラーク」のような味わいのような電子たばこです。
既に国内だけでも300万台以上が出荷され、電子たばこの中では一番のシェアを持っています。
アイコスは先発商品であったためユーザーからいくつかの不満が上がり、最近はそれらを解消した「互換デバイス」も出ています。
グロー(glo)
2017年10月から全国販売を開始したグローですが、アイコス1強に待ったをかけるように売れています。
その理由は「アイコス以外の味を楽しみたい」ということと「一体型である」ということが大きいようです。
「ケント」「クール」「ラッキー・ストライク」などの紙巻たばこを販売しているブリティッシュ・アメリカン・タバコの商品です。
加熱式電子たばこに分類されます。
プルーム・テック(ploom tech)
日本たばこ産業株式会社(JT)から販売されている電子たばこです。
前身となる「プルーム」は、実は2013年から発売していたものの鳴かず飛ばず。
アイコスが爆発的ヒットとなり、追いかけるように開発されたのが「プルーム・テック」です。
アイコス・グローはタバコの葉を低温で加熱するのに対し、プルーム・テックはグリセリンなどを染み込ませた本体とともに「たばこカプセル」を加熱して吸入するため、加熱式電子たばことリキッド式電子たばこの中間に位置する商品です。
エミリ(EMILI)
エミリは先端のキャップのようなアトマイザーにリキッドを注入して加熱、吸引するリキッド式電子たばこです。
そのスタイリッシュなデザインと、ニコチン・タールが入っていないことから、若い女性や禁煙中の方に人気の商品です。
リキッドはかなり多くの種類が販売されており、さまざまなフレーバーを楽しむことができます。
またリキッドには「〇〇専用」といったものは特に存在せず、色んなメーカーのリキッドを使用することができます。
アイスティック ピコ(i Stick Pico)
世界で一番売れているリキッド式電子たばこデバイスです。
その理由は「爆煙」です。
アイスティックはボタン操作で燃焼温度の管理ができ、ワット設定を高くすればその分大量の煙を発生させることができます。
日本では嫌われる煙ですが、煙の香りを楽しむ愛煙家にとっては重要なのでしょう。
電子たばこ徹底比較
代表的な電子たばこの種類を抑えたところで、今度は様々な角度から比較をしていきます。
それぞれ特徴があり、メリット・デメリットが混在しています。
ニコチンが入っているか
まずは根本的なところから。
冒頭でも紹介しましたが、ニコチン入りリキッドは国内での譲渡・販売は禁止されています(海外からの個人輸入は可能)。
したがってニコチンを摂取したい方は「加熱式電子たばこ一択」となります。
加熱式電子たばこは「アイコス・グロー・プルームテック」です。
どんなフレーバーが楽しめるのか
リキッド式電子たばこは基本的に「どのリキッドを使用しても吸引が可能」ですので、フレーバーの種類は多岐に渡ります。
反対に加熱式電子たばこは「そのデバイスに対応しているフレーバーのみ」しか吸引が出来ません。
それぞれのフレーバーに関してはこちらの記事でご確認ください。
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デザイン・スタイリッシュさ
愛煙家にとって電子たばこデバイスは毎日肌身離さず持っているものなので、できればデザイン性にも気を配りたいところ。
その点、特にオシャレなのはEMILIですね。
EMILIは改良に改良を重ねられており、最新のデザインは「Emili mini」という商品です。
正規代理店のスモトク(CIGA社)さまとお話をする機会があり、「自分が持っていてカッコイイと思えるような商品づくりに力を入れている」との事でした。
またグローもデザインにこだわっており、新色も続々と発売しています。
デコりやすさ
デザインに関連してきますが、装飾がしやすいかどうかもポイントです。
やはり一番売れているアイコスは、ケースやシールなどたくさんの付属品が販売されているのでデコりやすさはNo.1です。
グローも同様の理由でデコりやすいデバイスですね。
コストパフォーマンス
コスパを判断するためには、デバイス本体の価格(イニシャルコスト)とスティックやリキッドなどの価格(ランニングコスト)の両面から考える必要があります。
その点で優れているのがグローです。
グローは本体価格がアイコスと比較して安く設定されており、販売元のBATも「まずはデバイスを普及させる」ことに注力していますので、比較的安価で本体を入手することができます。
プルーム・テックはデバイス自体安いという魅力があるものの、カプセルの購入経路が限定されていたり、1カプセルにつき50パフ(50回吸引)という制限があるので、チェーンスモーカーの方だと逆に高くついてしまうこともあるので要注意です。
利便性
一口に利便性といってもその人の使い方によって変わってきます。
たとえばアイコスとグローの比較で一番違うところは「一体型かどうか」です。
アイコスは一番売れている加熱式電子たばこですが、チャージャー(充電器)とホルダー(吸引器)が別々になっていて、使用するときはチャージャーから取り出す必要があります(グローは一体型)。
また、ちょっとした休憩時などの「連続吸い」ができないというデメリットもあります。
これらの「アイコスの不満」を払拭した互換デバイスとして「アイバディ(i Buddy)」という商品が登場しました。
最近はかなり売れていて品切れ続出です。
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お手入れのしやすさ
お手入れのしやすさでいうとアイコスはかなり下位になってしまいます。
なにしろ毎日の掃除が大変です。
低温で加熱しているとはいえ、タバコ葉の燃えカスがホルダー内部にこびりつくので、1箱吸うごとに掃除をしないと吸引時に「焦げた匂い」が充満してしまいます。
そのお手入れも結構大変で、また加減を間違えると中の加熱ブレードが折れてしまうこともあります。
またリキッド式電子たばこは、フレーバーを替えるときにしっかりと水洗いしないと前の味と混ざってしまいます。
以上からお手入れのしやすさでは一体型の加熱式電子たばこに軍配が上がります。
グローやさきほど紹介したアイバディは一体型なのでお手入れもラクです。
比較まとめ
ここまでをまとめると以下のようになります。
ニコチンを吸引したい
おすすめは
- アイコス
- グロー
- プルームテック
色んな味を楽しみたい
おすすめはリキッド式たばこ全般です。
- エミリ
- アイスティック ピコ
デザインにこだわるなら
おすすめは
- エミリ
- グロー
装飾にこだわるなら
おすすめは
- アイコス
- グロー
コスパにこだわるなら
おすすめは
- グロー
- プルームテック
利便性にこだわるなら
おすすめは
- グロー
- アイバディ
毎日のお手入れをラクに
おすすめは
- グロー
- アイバディ
電子たばこの人気売れ筋ランキング
それでは電子たばこデバイスの人気売れ筋ランキングです。
実際に売れている商品を1位から5位まで紹介します。
★第1位 アイバディ
アイコスの互換デバイスが1位でした。
「ヒートスティックが吸える一体型デバイス」という理由が一番多いですね。
また、「連続吸いが出来る」「掃除が簡単でラク」「味はアイコスと変わらないのに本体が安い」というのも魅力のようです。
★第2位 グロー
すでに電子たばこ業界ではアイコスと2強となっているグローが2位にランクインしました。
アイコスよりややタバコ感が強いので「禁煙できないけど健康に気を遣いたい」層に受けていることと、全国展開が始まったことが上位になった理由でしょう。
★第3位 エミリ
特に若い女性から大きな支持を受けています。
たばこという概念ではなく「喫煙具」として楽しんでいる方が多いようですね。
また「禁煙を始めた」方にも売れています。
★第4位 プルームテック
上位にランクインできなかった一番の要因は「タバコとしては少し物足りない」という理由からです。
加熱式電子たばことリキッド式電子たばこのハイブリッドとして発売したものの、どっちつかずな印象が拭い去れないからでしょうね。
こちらもアイコス同様「互換デバイス」が発売されており、正規品同等の性能で比較的安価です。
★第5位 アイスティック ピコ
世界では爆発的なヒットとなっているアイスティックですが、日本ではまだまだ知名度が低いようです。
電子たばこ黎明期の日本では致し方ありませんが、これから少しずつシェアを伸ばしてくるかもしれませんね。
電子たばこの徹底比較まとめ
電子たばこ(ベイプ)の種類とそれぞれの特徴、そして多角的な比較をしてみました。
実際に記事を書いてみて驚いたのが「これだけの情報は1年前にはほとんど無かった」ということです。
アイコスが話題になり始めたのが2016年のGWでしたが、まだその時は保有している人は少なく、電子たばこというキーワードもさほど注目されていませんでした。
そこから1年足らずでこれだけの電子たばこが普及したということは、これからますます伸びていく分野なのではないでしょうか。